【残穢ー住んではいけない部屋ー】平岡芳明こと平山夢明の最凶伝説
もうすぐ公開終了!『残穢ー住んではいけない部屋ー』
人並みに怖がりなんですが、なぜかホラー小説が好きです。
そんな中ここ数年で一番度肝を抜かれた『残穢ー住んではいけない部屋ー』の映画版を観てきました。
率直にいうと、原作のほうが緊迫感がありました。映画版は静かに不気味なのがとてもよかったのですが、後半の怒涛の脅かしラッシュは蛇足かも。
では原作のどこがそんなに面白かったのか?
この本、ひたすら「主人公が怪奇のもとを調べまくる」という話です。しょーもない心霊現象が起きる部屋のことを調べていたら、土地の因縁にたどり着き、調べるごとに出るわ出るわ怪しい話。なので、ホラーというよりはミステリーに近いです。
この「怪奇の元を探る」というジャンルを専門に執筆されている方もいて、こちらも興味深かったです。
存在がホラー。ホラー界の最凶人物「平山夢明」
そもそもどんな作家さん?
『残穢』は作者と思われる作家が実際に怪奇を調べる話なので、同業者が名前をぼかして出てきます。その中で、作品に彩りを加えているのが「平岡芳明」こと平山夢明氏!
神奈川県川崎市生まれ。法政大学第二高等学校出身、法政大学中退。学生時代はホラー映画の自主制作に熱中し、一瀬隆重、手塚眞、犬堂一心等と知り合う。後にテレビ番組「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」に、当時の作品「ペキンパーの男」を応募して「銀監督」賞を受賞。一方、雑誌「週刊プレイボーイ」で「デルモンテ平山」名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を大量に手がけた後、1993年より本格的な執筆活動を開始。実話怪談「「超」怖い話」シリーズ(※2008年『Μ』にて脱退)や、「東京伝説」シリーズ、「怖い本」シリーズ、「怖い人」シリーズなどで活躍するかたわら、短編小説も多数執筆する。
ホラー好きで彼のことを知らない人はいない!
何かとキャラの濃いホラー作家の中でも最高濃度を誇っています。
作風は…一般向けではない
彼の作品はホラーだけでなく、心のボタンを掛け間違えて生きている人のはなし、バイオレンスに寄っているのが特徴です。次から次へと迫り来る理解不能な理不尽エピソードで目が離せなくなります。
しかもワザとなのか素なのかまれに文体が壊れちゃっている時があり、それも怖い。それこそ「あ、とうとうこの人おかしくなった」と思うくらい支離滅裂な文章になる時があって、こちらの肝も芯から冷えます。
↑ホラー、バイオレンス、オカシイ人との遭遇などなど、「怖い」の種類を問わない実録怪奇短編集。わたしはこの本で、初めて文章を読んで嘔吐しました。ある意味記念すべき本です。それくらいインパクトが強烈で、しかも次が欲しくてページをめくる手が止められない怖い本です。
↑氏がナビゲーターを務め、沖縄の心霊スポットを紹介するドキュメントです。しかも心霊スポットのチョイスがガチすぎる。沖縄出身のわたしが保証します。ガチです。地元の人なら昼間でも絶対に入らないような場所に、居酒屋気分でカジュアルに入っていく姿を見て、もう惚れちゃいました。
※ちなみにこのDVDで紹介されている心霊スポットは、神事を行う場所として敬われている所も多いので、冷やかしで行くのは絶対にやめてください。このDVD見れば十分です。
本人がお茶目すぎる
こんな恐ろしいことを書いたりやったりするのに、氏のキャラクターがチャーミングすぎるのも魅力のひとつ。
若い頃にボディビルをしていたらしく、50過ぎてピチTがこんなに似合うのは平山夢明か松本人志かって話です。醤油系のハンサム顔なので、おじさま好きの女性に大変好まれる外見です。(かくいうわたしが氏のルックスが好きすぎる)
さらに茶目っ気の塊のような人で、てきとー話術で周りを振り回しまくります。
被害者1:町山智浩
島倉千代子といえば、平山夢明が昔デルモンテ平山名義でやってた映画評のなかで、スペインの映画なのに「島倉千代子がお父さんと一緒に眼鏡橋をわたる怪獣映画」とか適当なこと書いて町山智浩に怒られたって話を思い出す。これしか知らなくてゴメンナサイ。「人生いろいろ」はもちろん知っていますよ。
— カラスと呼ばれる青年 (@aboynamedcrow25) November 8, 2013
町山智浩さんのラジオのオープニングで出てきた、「平山夢明先生が詩集を出したと聞いてどんなのかなと思ってたら屍臭の間違いだった」って話かなり好き。
— 4月馬鹿お疲れ様でした (@kashii__) July 11, 2015
被害者2:京極夏彦
ラジオ本、唯一自分が読んでるのは、京極夏彦先生と平山夢明先生の『バッカみたい、聴いてランナイ!』。
— ネガティブオレンジ (@negative_1996) 2016年2月5日
図書館で笑いをこらえるのに必死だった。
— 未来 (@mirai_cslb) 2015年12月26日
京極夏彦『ルー=ガルー2』×東京ガベージコレクション 収録風景【1/5】
おわかりいただけただろうか・・・
すっきりしたルックスで軽いトークができるのに、作品がエグすぎる。しかも計算か天然か本当にわからない。昭和の破天荒男です。
そんな平山夢明の作品を読んで、一緒に吐いてみませんか?
ちなみに
最近氏が『5時に夢中!』に出ていたことを知って驚きました。しかも町歩きコーナーを任されて、場所が広尾!!!
どんだけ懐が深いんだあの番組・・・